現在グリーンランド以外の地域で行なわれていたパドリングについては具体的な資料が手に入りません。そのため、現時点で手に入れることのできる資料とわたし自身がグリーンランドパドルを使ってきた経験を基に、グリーンランドのパドリング方法だけを解説したいと思います。 わたしの手元に前記の文献とともにいくつかビデオがあります。最も新しいものでは、1998年と2000年の2度にわたってグリーンランドナショナルカヤッキングチャンピオンシップで優勝した青年マリギアック-パディラが、1998年にアメリカに招待されてデモンストレーションを行なった際のビデオがあります。古いものでは往年のチャン |
ピオンだったジョン-ピーターセンをチャンピオンシップのドキュメントとして取り上げたもの、さらに、1986年にグリーンランドのヌーク近辺で行なわれたナショナルトレーニングキャンプの様子を収録したビデオなどがあります。 また、グリーンランドスタイルのパドリングについてのレポートがインターネット上のいくつかのホームページに載っています。 これらの資料から、グリーンランドのパドリングには道具の多様性同様多くの種類があったであろうことが推測されます。 パドルそのものの特徴ですが、ほとんどのパドルが細身のタイプなので、比較的水のとらえが弱く力の無駄は多めですが、その分楽に漕ぐことができます。わたしが常用している長いタイプのパドル(230cm)でも、強風の中、アンフェザーで向かい風はほとんど気になりませんし、横風であまり煽られるようなこともありません。 また、後でも述べますが、沈をしたときの水中でのパドルの操作性は特筆するべきものがあります。 |