{持ち替えパドリング}

 特殊な漕ぎ方としては、短いパドル(シャフト部分が短かくなっています)を左右に持ち替えて漕ぐ方法があります(図-9参照)。一漕ぎごとに一方に偏らせて漕ぎます。つまり、引き手がシャフトを握り、支え手が漕ぐのとは反対側のブレードを押すことになります。一方を漕ぎ終えるとブレード上にあった支え手をシャフト上の引き手に寄せ、それまでの引き手をブレードへ滑らせて次の支え手とする、という漕ぎ方をします。
 このとき幅の広いブレード部分を支え手が押すことになりますが、手首はなるべく返さないように、握り替えをしながら前腕の曲げ伸ばしでブレードを押すようにします(図-10参照)。これは、ジョン-ピーターセンもビデオで見せていますし、マリギアックもどんなパドルでもそういう漕ぎ方をしているようです。こうした漕ぎ方をダブルフェザリングと表現する人もいます。
 しかし、こうした持ち替えパドリングをしない長いパドルの場合、握り替えをしないで一定の握りのまま押し引きしている場面もビデオでは見受けますので、全員が決まった形のパドリングをしているとは一概に言い切れないようです。
 また、持ち替えの煩わしさからか、ビデオなどで見ていても、こうした短いタイプのパドルは技術継承目的以外ではあまり一般的ではないようです。

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