2001.12.3 スキン張り替えについて

 10月下旬から11月上旬にかけて行ったスキン張り替えのレポートです。ちなみに前回の補修は2000年7月です。そのときはスキンは張り替えではなく張り直しをし、コクピットを卵形から円形に変更しています。


 10/29よりスキンカヤックのスキン張り替えを行いました。
 ついでにリブフレームの付け替えなど少しフレームにも手を加えました。
 作業の中でいくつか気づいたことを中心にレポートします。
 まず、リブフレームの作成についてです。
 材は相変わらずの米ヒバですが、ホームセンターで調達した材とパドル用に取り置きしてあった材を使いました。以前洲澤さんが「材を割って作るとしなやかで強いフネになる」とおっしゃっていたのと、ビデオなどで現地の製作現場を観察してみるとけっこういい加減な形のリブ材を使っていたことから、試してみることにしました。
 うまく割れないことも結構あってかなり材を無駄にしましたが、結果的には曲げるときにかなり具合がいいことがわかりました。水につけこむ日数もなかったので、材を薄く(断面は平均で8mm*20mm)し、大鍋の沸騰した水の中にしばらくつけることで曲げましたが、ささくれも出にくく折れも少なかったように思われます。製材したものも同
時にいくつか曲げてみましたが、ささくれや折れが発生し、成功率は非常に低くなりました。
 それにしても、洲澤さんが曲げたリブ材は、かなり太いのにもかかわらず見事に曲がっています。長時間水につけ込んだりスチームボックスを使ったりという違いはあるにせよ、じゃああんたやってみと言われて簡単にできるものではないと改めて感心しました。
 次に、解体したときに気づいたことです。
 まず、スキンは丸3年を経てほとんど柔軟性は失われていました。また、塗料の関係か最低でも2ヶ月に1度ぐらい再塗装しないと海水が浸みてきました。ただ、この時点でも、多少岩にこすれた程度では表面の塗装が剥げる程度で破れたりはしませんでした。
 スキンを開放すると、バウ・スターンの先端部、とくに角に近い部分に砂がかなりたまっていました。フレームとスキンの伸び縮みが大きかったり、侵入部位が外からの力のかかりやすい部分だったりすると、この砂で双方を傷める可能性は十分あると思われます。
 フレームの状態は、表面上ではカビが浮いている部分はあるものの腐食しているようなところはありません。しかし、リブを取り外すと、ガンネル側の接合部の奥は若干腐食が認められ、完成当初と比べると木がもろくなっていました。全体としては再塗装によってまだ数年は持つものと思われます。
 フレームの改良は、リブフレーム取り替え(7本)、バウ側デッキストリンガーの外側2本を少し内側に曲げてつま先を入りやすく変更、キール材のかかとが当たる部分に補強材を取り付け、スターン側デッキストリンガーをビーム共々ほぞを切ってはめ込み、ガンネルの縁を削ることで下がるデッキに対応等の6点でした。
 フレームに関してはとくに問題もなく、作業も順調でした。
 今回は、スキンのテンションがひとつのテーマだったので、スキンかけには少し時間と手間をかけました。
 とくにボトムのテンションはひもをかけてから中1日おき、少しずつ引いてテンションを強めました。
 それで、作業をしていて気がつい
たのは、全部で3回もテンションをかける工程があるということです。コクピットを取り付ける段階を加えると4回になります。
 これも、実に合理的だと改めて感心させられました。
 塗装は、やはり一番問題でした。
 さんざん考えたあげく、オスモカラーエキストラクリアーを下塗りしましたが、結局、吸い込みが激しく、ボトムだけで一カン空いてしまい、今度はノーマルクリアーを使いましたが、こっちも吸い込みが多く結局ボトムとデッキで二カン弱が空いてしまいました。無公害と言っても高価なので割が合いません。
 塗装はその状態で一度海に浮かべましたが、やはり目止めが弱く、10分ほどで2cmぐらいの浸水があったため、再度塗装する羽目になりました。
 水性の安い低公害性の国産塗料で下地と色を作り、その上からオスモなりのクリアーで仕上げをするというのが一番いいのかなという感覚を今は持っています。


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