2000.11.2 大渡さんのメール

 アメリカからいただいたメールです。グリーンランドへ行かれた経験をお持ちの方です。
 とくにグリーンランド北部は他の地域と少し違う文化を持っているとのことなので、貴重なレポートです。


こんにちは。高坂様。
米国に住んでいるシーカヤッカーの大渡といいま
す。
Traditional Kayakの記事楽しく興味深くよま
させていただきました。
わたしは、3年前に、グリーンランド、北西部北
緯約75度にあるQaanaaq(植村直己さんが、こ
こを基地にイヌゾリの技術を学んで北極にいかれ
ました)にいって、夏の間、Polar Inuitが、毎
日じっさいに、一角鯨のハンティングに使ってい
るのを目のあたりに見てきました。たぶん、カヤ
ックを本来の目的である狩猟に使っているのは、
ここだけと思います。
彼らは、岸から双眼鏡で一角鯨を発見するとカヤ
ックに飛び乗り、一角を追いかけます。このとき、鳥の群れの中に身を隠したり、氷山の後ろに隠れたりします。狩猟ですから、音を立てないように、カヤックは細く、パドルは細いと聞きまし
た。私の見解としては、そのとおりと思います。
よく本に書いてあるように、嵐の中を行くためと
は思いません。誰も、嵐のときにハンティングに
行きません。鯨もみえませんし。嵐のときに鳥も
飛びませんし・・・
まだ彼らは、一角の狩猟は、カヤックの使用のみ
です。
後ろから追いかけ近ずくと、やり(Harpoon、て
こ式)を投げさし、アザラシの皮でできた、浮きを

流します。しとめは、ライフルを使うのです
が、決して、先にはつかいません、しとめるだけ
です。その後複数のカヤックで岸まで運びます。
こんな方法で夏の間、カヤックが使われていると
は思いませんでしたので驚きでした。
あちこちでカヤックラックがあり、カヤックが乗
せてありとても不思議な感じです。
いまのカヤックは、キャンバスか化学繊維で、ス
キンができています。殆ど白ですが、たまには青
もありました。
あんまりカヤックの写真を撮ってこなかったので
後悔してます。もう1度行きたいのですが、なに
ぶん交通の便がなく、チャーターでしか、いけな
い状態です。
来年は何とかいくつもりですが・・・。

洲澤さんには1度日本でお会いしました。
高橋さんにも1度お会いしました。

では、かってにいろいろと書いてしまいました。

お元気で・・・

Kohei Owatari
大渡 浩平


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